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やってまった

今放送中の朝ドラ「半分、青い」では、主人公が漫画家のアシスタントになるために上京。
昨日の回では、漫画家先生の原稿の上に、コーヒーカップを倒してコーヒーぶちまけました。
そして主人公が言います。

「やってまった」

そんなね、アシスタントに入った初日にやらかすなんてこと、ないでしょ。そんなのまんがの中だけでしょ。
そう思うでしょう。

西山はやりましたよ。

昔々大学生の頃、西山がまだ花とゆめに投稿しているころ。
花とゆめ編集部から夜半の突然のご指名で、美内すずえ先生のアシスタントに入ることになりました。
西山にとっては生涯初のアシスタント。しかもあの美内先生です。手伝う漫画はもちろん「ガラスの仮面」です。ひゃーーー!
ガクブルしながら先生の仕事場に行って、一番最初に承った仕事は「星空を描くこと」でした。
でもその原稿はまだ人物のあたりが鉛筆でまるっと描いてあるだけ。…締め切りは明朝だっていうのに…。
とにかくガクブルです。ガクブルガクブルしながら、ペンを手に取って、さあ、という時、

やってまった

ペンを!原稿の!まだ当たりしか入っていないほぼ真っ白なところに、ごろごろっと!
やっちゃいました。
頭はまっしろ。ガクブルも止まる。
ボー然としながらチーフアシスタントの人のところに原稿持って謝りに行くと、

「あちゃー」

と言われました。
でもそれだけ。
そのあと、ホワイトして、上のコマになんとか星空を描いて、原稿を返しました。
原稿は本当に朝には出来上がって、待ち構えていた編集さんが持って帰っていきました。
後日…
発売された花とゆめには何もなかったかのように、西山の描いた星空の下に美しい真澄様が…。

西山が美内先生に呼ばれたのはそのあとほかの作品でもう一度だけ。
そして、プロの漫画家さんのアシスタントをやらせていただいたのは後にも先にもその2回だけです。
たった2回でしたが忘れられない時間でした。

それから数年後、西山もプロになって、人に手伝ってもらうようになりました。
初めて来た若いアシスタントさんが初めてプロの原稿に触れてガクブルするキモチ。わかる。わかりますよ。

そして、わかる。

「あちゃー」の一言の後ろに隠れた、
「やられちまった」感。
そして、

「それにイチイチ怒っていられるほど暇じゃねえんだ」

というキモチ。うんうん。
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